K08:―(後)
酒には慣れてる身体が、さらにアルコールという液体を求めた。
ついでに、そいつの赤い鉄分や赤血球などが混ざってる液体も欲していた。
もう、私の精神は尋常じゃなかった。
どんどん、削られていき、壊れて、求めているものが変わっていった。
それは、みんなの幸福ではなく敵の「降伏」だった。
壊れたような笑いをお互いに発していた。
クフフフフ・・・・・
悪い癖は無かった。
でも、自棄酒を飲んだせいかお互いに憎悪が増していった。
それは、個人的なものではない。
私に関わる人間の憎悪を何百メートルいや何十キロもの離れた人間の憎悪を私たちは取り込んだ。
美佳や美月の身体は言葉に出来ないほどの悪寒を感じていた。
それは、もはやその「気」だけで人間をひとり気絶させるだけの強さだった。
肩がジワリと重い。
お互いに無口になり、お互いに何かを作り始めた。
何も言わず、以心伝心と言うのか、それに近いものか。
彼女らにとって、今はそんな事どうでも良かった。
ただ一つ、邪魔者は消す。
私たちの先祖の初代は捨て子だった。
その子は15歳であの世に逝った。
と言う事は、結婚していたなんて考え付かない。
じゃあ、どうやって2代目は貴族に成れたのだ?
と言う事は・・・・・・・・・・・・・・・・・
生々しい事は考えない方がいい。
自分だって、まだ15歳になっていないガキだ。
そんな事を考える自分は頭の使い方を間違えている。
あくまでも、私は子供だ。
勉強して、遊んでいれば良い。
なら今やっている事は何だ?
酒飲んで、タバコ吸って、人殺しのための道具を作って。
別に、人間なんていてもいなくてもどっちでも良い存在だ。
それはどういう事か?
人間のような他の生物に対して傲慢な生物は嫌いだって事だ。
現に、人間は生活が楽になっていく。
と言う事は、楽になるためには、少なからず他へ負担せざるえない。
自分達のことしか考えられなくなる。
現に「朱鷺」は絶滅した。
でも、動物だけじゃない。
人間同士にも危害を与えている。
どこぞの将軍様の国だって、将軍様は高級のワインを飲んで、美味い飯を食っているところで、国民は餓死と隣りあわせで働いている。
人は平等のはずだ。
差別や偏見の時代は100年前に終わっているはずだ。
せめて日本は。
しかし未だに「えた・ひにん」などで問題は起きていると聞く。
それは、江戸幕府が悪い。
タイムマシンがあれば爆破でもしてやりたい衝動に駆られた。
自分さえよければ良い。
結果、動物は死に人にも危害を加えた。
今更、反省も何も無い。
だが、謝れとも言わない。
それが、未来に同じ事を起こさせる事が無いのなら・・・
美佳はその後で、自問した。
何を言いたいのだ?
昔からそうだ。
心で思っているときには具体案になっているが、いざ伝えるとなると全てを忘れ去ってしまうからだ。
それも、一つの嫌いなところだ。
そんな事でと言われそうだが。
それで、自殺しようとした事が2、3度ある。
それから、彼女らは地下室の仮眠室で一緒に寝た。
ただ、眠かった。
「母さん・・・母さん・・・・」
美月が目を覚ました。
「どうしたの?」
「母さんの叫びが聞こえたの・・・」
「さけび・・・?」
叫んだ覚えは無い彼女はひたすら自分の口の中で何度も言った。
「言ってないの?」
「うん・・・寝てたから・・・分からない・・・・・・ねえ」
「何?」
「腕、大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。心配しないで」
「そう・・・母さん・・・弥生の事をいつも守れなくて・・・ごめんね」
美月は過去の事を今も悔やんでいる。
恵一が死んだとき。
弥生が階段で足の骨を折ったとき。
軍にさらわれた時。
妹にもすまないと思っている。
美月は一生を悔やんで生きていくのだろうと思った。
それはもう、覚悟できていた事だ・・・
美月がムクリと起きて研究室で作り始めると、美佳も操られたように起きて始めた。
「美佳?どうしたの?」
「別に」
弥生は、美佳の口から酒の臭いがするのに気づいた。
「美佳、酒でも飲んだ?酒臭いよ」
「別に良いでしょ」
美佳の心は痛かった。
大切な友達がこんなにも辛い目に遭うなんて・・・
美佳は彼女の右腕を見るのが辛かった。
私は合成ゴムを作っていた。
人の触感と同じようなさわり心地がいいものを作っていた。
美月は脳波をコントロールして腕を動かせる研究をしていた。
まるで、どこかのアニメのような話だが・・・
これも、いずれ兵器になるんだと思った。
私らのような人間が私らだけのはずが無い。
絶対そうだ。
絶対そうに決まっている。
そうじゃなきゃ・・・寂しいじゃないか・・・・
死ねるのなら死にたいと思った。
友の苦しむ姿は見たくないさ。
・・・苛められるなら、私だけで良い。
全ての人の苛立ちを私のほうに向けて見た。
・・・・・・・・・・・・・
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・・・・・・・・・・・・・
バカな事をしたもんだ。
住むとこが無くなっちゃった・・・
そりゃ、不満や怒りが私のほうに真正面にくるんだ・・・
町を歩いていてもだった。
自惚れていた。
私は神様じゃなかった。
私は、格好悪いと思いながら、元に戻した・・・
「人間は・・・万能じゃないのだな・・・」
スー
私が消えてゆく。
まだ、沢山やることがある。
まだ、たくさ・・・・
時の浪費はしたくなかった。
時は、ずっと止めて美佳を探した。
見つけた時・・・彼女の精神は崩壊していた・・・・
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